【小説】トマシーナ

【ポール・ギャリコ:著】
翻訳:山田 蘭
猫好きなので・・・。こちらもいつ購入したかは覚えていませんが、読まずに実家に放置してしまっていた本です。
(基本的に最近読むものは、過去に購入したまま読まずじまいのものです。)
気高き猫トマシーナの目線を含むさまざまな角度から話が進んでいきます。
ちなみに、トマシーナの序盤でも名前が出てくるのですが、同じくポール・ギャリコ著作の「ジェニィ」を読んでからの方がより面白いのかも?
とはいえ、特に問題なく読めました。
あらすじなど
序盤から、すでにこの世を去っているトマシーナの目線で話が始まります。
翻訳者の方の意向も強いと思うのですが、トマシーナの口調がなかなかw。「なんですもの」口調です。
スコットランドの田舎で動物病院を開業している医師とその娘。娘の愛猫として登場するのがトマシーナ。奥さんを亡くしたことで、元々頑固だった正確がより頑固になってしまった父親と、仲良しのトマシーナを拠り所にする娘。(とはいえ、お手伝いさんや、父親とも仲良し。)
そして町のはずれに住んでいて、町の人達から「魔女」と呼ばれている不思議な女性ローリ。
感想など
※以下ネタバレ等ありますのでご注意ください
※感想なので好き勝手に述べているので、不快な表現があるかもしれません。
※大層な乱文ですがご容赦ください。
亡くなってしまった者から目線の小説は多々あると思うのですがトマシーナの場合は、トマシーナが生まれ変わった?ような目線のバスト・ラーという名前の猫の描写もあり面白かったです。
突然「我が名はバスト・ラー」といったフリで章が変わるので「ん・・・?誰?」となるのですが。
※結局最後まで読んだところで、バスト・ラーが実際に存在したのかどうかはよくわからない。
基本的には、父娘の愛のお話。
しかし、個人的にひっかかった点が2点。
- キリスト教色が強い(牧師さんが出てくるのでプロテスタントなのであろう)
- 父娘・・・+父の再婚・・・のお話感もある
キリスト教に関しては、私自身が不可知論者なので、あまり同調できなかったのでそこが少し苦しかったです。
父親の親友が牧師で、様々な話のやりとりがあり、掛け合いは面白いのですが。
あと、牧師さんの柔らかい考えも好印象ではある。
父娘愛が途中まであまりにも強いお話なので、2/3位まで読んだあたりで父親の娘に対する無関心に近い表現が結構ひっかかる。
途中までは娘に必死で猫に嫉妬すらしているのにな〜〜〜。
娘がピンチの状態の時に違うこと考えてるのはちょっと納得いかんな〜〜〜〜。
ちなみにハッピーエンドなので、それは個人的に高評価です!